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ソマリア沖の海賊の話

前回まで、スエズ運河に留め置かれたコンテナ船“EVER GIVEN”の話題が続きました。

スエズ運河はアフリカ大陸と、ヨーロッパ、アジアの陸地をつなぐ場所にあり、海の接点としては地中海と紅海を結びます。地中海側から船で来て、スエズ運河を通過し紅海を南まで下るとソマリアの沖に出て、そこからインド洋につながります。今日は座礁事故とは一切関係ありませんが、スエズ運河と地理的に近いソマリア沖の海賊の話題です。世界の最貧国とまで言われるソマリアという国、そして世界で一番と言っていいほど貨物船が行き来する場所とが重なれば、おのずと何か(海賊)が起こることは必然だったのかもしれません。

 

実はつい10年くらい前の2010年前後にはスエズ運河に、ほど近いソマリア沖アデン湾で、海賊行為が数多く発生していました。以下表の数字は、日本の外務省が作成したものです。2010年頃を中心に、年間で200件を超える海賊被害が起きていました。

世界の交通の要所であるこの海域での海賊行為は、世界の海運界にとっても大きな問題であったため、日本国としても世界関係団体と協力した体制を取り、日本船主協会、海上保安庁、自衛隊が船舶の安全運航を維持するための船団護衛と警戒活動を10年越しで行ってきました。その甲斐あって、2019年以降海賊件数がゼロになったとのことです。

 

ソマリア沖での海賊が収まったことの記事は、今年の2月下旬の日本海事新聞に掲載されていたのですが、超大型コンテナ船の“EVER GIVEN”の座礁事故が起きてからスエズ運河の地図を見ていると、ソマリアとスエズが距離的に近い事もあり、普段意識もしていなかったソマリアという地と海賊に興味を持ちました。まず、間違いなく言えることは、日常ソマリア沖は数多くの貨物船が行き来しています。まさしく宝船が目の前を行き来しているのです。当然それを手に入れたいと考える盗人がいても不思議ではありません。だからと言って、大型船から金品を奪い取ることは簡単ではありません。

地図上ソマリアは、アフリカ大陸のケニアの北側に位置し、アデン湾をはさんでアラビア半島のイエメンと面する国です。石油が豊富で最もお金持ちの国アラビア半島のサウジアラビアがすぐそばにあるのに、海を隔てたソマリアは世界で最も貧しく、世界で最も政治的に腐敗した国であるとのことです。

 

 

また、政治家・公務員の腐敗度は世界一だという以下の公表データもあります。「地図の出所:成美堂出版社発行の“世界地図2020年度版”。元資料はCPI(Corruption Protection Index 腐敗認識指数)=ドイツのベルリンに本部があるNGOトランスペアレンシー・インタナショナル発表」。

 

 

 

世界で一番貧しい地域(アデン湾)を、世界中の財物が頻繁に行き来しているというのが現在の姿です。通航するのは大型船でかつ高性能の船舶にも関わらず、そんな船舶を襲うことの出来る武器やら、船をこんなに貧しい人たちが用意できるというのも不思議なことです。それにも増しての驚きは、そんな貧しい国民の動きを収束するために世界中の海上保安のプロフェッショナルや軍隊が総出で、10年もの歳月を要したのでした。それだけのお金があれば、もっと違う形での海賊を防ぐ手立てや、その地域の発展の寄与の仕方もあったような気がしましたが、そんな簡単ではなかったようです。

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