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超大型コンテナ船(EVER GIVEN)のスエズ運河座礁(その3:スエズ運河を使わない方法を考えてみる。)

3月下旬にスエズ運河で、大型でコンテナ船“Ever Given”が座礁事故を起こしてから、おおよそ3か月が経過します。

Ever Givenは、いまだスエズ運河内のグレートビター湖に留め置かれたままです。

 

前回、前々回と私はこのコラムで、超大型コンテナ船がスエズ運河を通航することに安全面での不安を、そしてスエズ運河庁の対応に理不尽さを感じることを、個人の感想として書き記しました。

ふと、アジアとヨーロッパ間の貨物輸送に従事する事業者は、スエズ運河が使えなくなった場合どうするのかなあ?と考えてしまいました。余計なお世話だと言われるかもしれませんが、お付き合いください。超大型コンテナ船がスエズ運河利用しないで、アジアとヨーロッパを行き来するには、他にどんなルートがあるのかということを見てみます。

 

1.アフリカ大陸の最南端喜望峰沖を経由 ⇒ アジアとヨーロッパを行き来する場合、この喜望峰経由ルートはスエズ経由に比べ約6,500㎞(3,500海里)ほど長くなりますが、現実的な代替ルートです。時間にするとおよそ一週間、長い航行を余儀なくされます。燃料費もその航海分が余計にかかります。

 

一般的にはこの喜望峰沖経由で対応せざるを得ないと思いますが、その手段以外にも、物理的に利用が可能かどうかのチェックが必要なルートや、将来に利用可能となるかもしれないルートを織り交ぜるとざっと、変更ルート候補は以下の通りです。

2.シベリアラウンドブリッジ(シベリア鉄道経由) ⇒ モスクワ~ウラジオストク間9,288kmの鉄道を利用しますと、日本からだとモスクワまで、20日から25日を要します。西ヨーロッパが最終目的地だとすれば、さらに数日かかるのでしょうが、実際、ヨーロッパのあらゆる目的地まで対応が可能なのかは分かりません。

 

3.チャイナラウンドブリッジ(中国鉄道経由=一帯一路) ⇒ カザフスタンを経由して中国とヨーロッパを鉄道が結ばれたのは、1990年代だとのことです。中国は一帯一路を強調し、現在この利用を促進させようと躍起になっていますが、現在実際に利用されている、中国側の出発地の拠点は内陸であり、上海などの沿海部大都市からのコンテナ列車の運行はないとのことです。ルート中の軌道幅の違いから、積み替え回数の多さによる、輸送日数が不安定であることなど課題が多そうです。

 

4.アメリカ大陸ラウンドブリッジ(アメリカ大陸鉄道経由) ⇒ アジアから北米西岸まで海上輸送し、アメリカ大陸を鉄道輸送で東海岸までつなぎ、そこからコンテナ船でヨーロッパまでつなぐ方法があります。太平洋上と大西洋上の輸送は、大型船のサービスが豊富で、接続はいくらでも可能だと考えられますので、アメリカの鉄道とのコンビネーションもありうるのでは考えた次第です。北米東岸とアジア間の輸送貨物を太平洋航路の船便と大陸鉄道の利用がかつては頻繁に利用されていたようですが、さらに北米東岸で船便への積み替えが現実的かどうかは疑問です。物理的な接続は可能だと思いますので、運賃がリーズナブルであれば検討できるのかも・・・。

超大型コンテナ船のサービスは太平洋上も大西洋上も充実していますから、鉄道便がうまく機能すれば、全体のサービスもうまくいくのかもしれません。書いている本人が鉄道情報に詳しくなく頼りないのでそこに踏み込めませんが、ご容赦ください。

 

5.北極海航路 ⇒ 近年の地球温暖化による海氷の減退に伴い、北極海の利用の可能性も出てきています。利用するとすればその投入船は耐氷や砕氷の性能が求められます。このような特別性能船舶の利用を前提にするにせよ航行可能の時期は、夏に限定されることになります。

横浜港からハンブルグ港(ドイツ)への航行距離を比較すると、南回り航路(スエズ運河経由)は約21,000㎞(11339海里)、北極海航路だと約13,000㎞(7,019海里)で約6割に短縮できます。

本来、地球人が目指すべき方向は、地球の温暖化を防ぎ、むしろ北極海が元の状態に戻り、夏の時期も北極海に船が走れる状態にしてはならないというのが理想ですが、海上輸送の利便性の観点からは、北極海の利用もありうるということです。

 

将来的に、スエズ運河の通航が不安定になることを予感したので、部外者ながら思いつくままに対応策を並べました。現実にスエズ運河が使えなくなったら困ってしまいますので、念のため用意しておいた方がよさそうです。

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