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超大型コンテナ船(EVER GIVEN)のスエズ運河座礁(その2:船上の貨物はどうなっちゃうの?)

3月下旬にスエズ運河で座礁事故を起こした“EVER GIVEN”がいま、どこにいるかというと、スエズ運河の中のグレートビター湖で待機を余儀なくされているようです。

本船の船主、運航者、そしてスエズ運河庁さらには、船の上の貨物を持ち主などの当事者は、何の動きも取れず事後処理に至っていません。

4月の新聞では、「スエズ運河庁(SCA)の訴えに基づきエジプト当局が4月13日に同船を差し押さえた。SCAは船主の正栄汽船(本社・愛媛県)グループに対して総額9億1600万ドル(約998億円)を請求。支払いが完了するまで、EVER GIVENをエジプト国内で拘留する方針」との内容が伝えられました。先日(5月31日)の日本経済新聞の夕刊では、「スエズ運河庁が船主への請求額を5億5000万ドル(約600億円)まで引き下げた。」とのことですが、事態が進むとは思えません。

 

スエズ運河庁と船主グループとの今後のやり取りがどう展開して行くのかは不明ですが、船主グループ側は保険会社が中心になり処理を進めると理解します。いずれにせよ、額の大きさを見る限り、ことは容易ではありません。簡単に言って、額が減らされたとは言え600億円をすぐに用立てできるものではないし、その前になぜ支払わなければいけないのか、その理由など納得できないことだらけのはずです。この先、どうなるのでしょうか。外航海運の事業では、時として今回のようなとんでもない事態に巻き込まれることがあります。関係者が多岐にわたりますので、その交通整理が大変です。

 

コンテナ船の上に積まれている10000個(TEU)以上もある貨物の処理に関しては、どうなるのか。アジア積みヨーロッパ向けの貨物については、受け荷主は、いついつまで(例えば4月中)に貨物を受け取る前提で、商売の準備をしていた訳ですから、予定通りに受け取らないとさまざまな損害を被ることになります。例えば、5月に貨物を売るつもりでいたヨーロッパの受け荷主に届かないのに、アジアの送り主に対しヨーロッパの受け荷主が代金を支払わなければならないという事態も発生します。今頃、運航会社の営業担当者は、受け荷主から、どうしてくれるのだと処理・対応を求められているのは間違いありません。それが、最終的には保険での処理となるにしても、とんでもないほどの多くの処理業務の発生を予想します。今の時代、ITによる処理によることが主流でしょうから、昔のように対面でペコペコ頭を下げて事情説明と陳謝の繰り返しはだいぶ省略されているでしょうが、多大な処理業務が残ることは想像できます。

船上(EVER GIVEN)にある貨物が受け荷主の手元に届かず、実際の損害が確認されていない場合、その貨物については保険処理の適用があるのか分かりません。私の想像でしかありませんが、現在の宙ぶらりんの処理段階では保険処理を含めて、恐らくは何の金銭処理も行われていないのではと思われます。船主(日本の正栄汽船)と運航会社(台湾のエバーグリーン)中心に担当の皆さんさらには、荷主関係者の皆さまにはご苦労様と申し上げます。

 

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