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脱炭素社会と海運の将来(その3:船の動力源は何になる?)

前回のコラムまで、これからの自動車の動力源は電気が中心になりそうだが、船の動力に関しては開発途上でまだ具体的には見えていないという中途半端な内容で終えています。

船の場合は、脱炭素を目指すものの、現時点でその目的を完璧にかなえる技術の獲得には至っていないと私は認識しています。

技術に弱い私ではありますが、続けさせてください。私なりの理解はこうです。これから、21世紀の前半に、海運界ではエンジンの動力源を石油からLNGへの切り替えることが中継ぎとして起こり、本格的な脱炭素社会を叶える動力源の開発は、21世紀後半になってからの実現となるだろうという予想です。もちろんこの予想を覆すスピーディーな技術発展を期待しますが・・・。

 

船のエンジンに詳しい人にいろいろと伺うのですが、石油から水素に置き換わるのは間近だと断言する方にお目にかかりませんし、風力を一部利用出来るかもしれないとまでは言っても、風力に任せたらいいと断言する人はいません。海運界での、脱炭素化のブレイクスルーはまだ、見えないのが実情だと思います。

21世紀後半に、船の運航で100%の脱炭素化を可能とする技術とは一体何なのでしょうか? 何かしら方向性があるはずだとの予測から、何かヒントはないかといろいろな資料を探って見ました。そんな中で日本海事新聞を読んでいますと、時々アンモニアが候補として有力なのではという内容の記事を見掛けます。

そのあたりの知識や興味は全く乏しく、アンモニアというと中学生時代、科学室でアンモニアの刺激の強い臭いをかがされたことを強く覚えている程度です。それがどんな役に立つなどは、全く覚えていませんが・・。その時の科学の授業の内容は、アンモニアを人類のエネルギーに使うという趣旨ではなかったようです。

 

船の燃料としてのアンモニアの話に戻します。アンモニアを発電や輸送機関の燃料として利用するアイデアが出てきたのは、ごく最近のようです。アンモニアの化学式 NH3ですので、水素(H)と窒素(N)で構成されています。ここから、燃焼により船の動力に置き換わる流れは次の通りで、窒素と水を作るだけですので、環境に害を与えません。

 

4/3NH₃ + O₂ ⇒2/3N₂ + 2H₂O 或いは(4NH₃ + 3O₂ ⇒ 2N₂ +6H₂O)

 

水素と比べますと、着火性が悪く燃焼し難い性質で、安全性が保たれる程度の直接燃焼が可能であるという性質だそうです。また、摂氏マイナス33度で、液化するので貯蔵のハンドリングが水素に比べ格段に容易です。(水素の液化温度はマイナス152℃)

 

それでは、アンモニアが世の中に潤沢にあるのかということに焦点を当てます。アンモニアが乗り物の動力源や発電エネルギーとして、注目を集めだしたのはつい最近です。それまではアンモニアは、主に窒素系の肥料や、食品や医薬品などの原料として利用されていました。特に人口増加に伴う食物増産の観点からも、アンモニアへの需要はさらに強まるだろうと予想される中、エネルギー源としても需要が増すアンモニアをどのように確保するかが、世界的な課題となります。

 

現在、アンモニアは空気中の窒素と水を鉄系の触媒で反応させるハーバー・ボッシュ法という100年前から変わらず採用されてきた手法で、製造されています。窒素は地球の大気の約78%を占めるし、水も地球上で確保するにあたっては、ばらつきがあるものの他の資源よりも獲得し易いものです。

 

今日のところの私の理解は上述のとおりで充分にこなれてはいませんが、30年後の船舶の燃料はアンモニアが主流になるかもしれないということをテーマにしました。化学を学習することなど今までの人生ではなかったのですが、10年間位に区切って、今後どうなっていくかを産業と燃料とを照らし合わせて追いかけてみるのも面白そうだと思えてきました。

しかし30年後、2150年の95歳でそれを確かめることができるかなあ?!

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