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脱炭素社会と海運の将来(その2:船の脱炭素化はどのように進むのか?)

自動車の世界では、近い将来、CO2を排出させないことを欧州などが宣言しています。

2030年になると、欧州では軒並みガソリンエンジン車全廃が始まります。ガソリンエンジン・ディイーゼルエンジンを取り外したあとは電気モーターで走ることが主流だと聞きます。一部ガソリンエンジン併用のハイブリッド車もあるようですが、ひとまずそれは横に置いておきます。電気を利用しモーターを動力とする場合には、電気スタンドから充電してするのか、あるいは水素ステーションで充填した水素を利用し自動車内蔵の燃料電池で発電してモーターを回すかの二つのいずれかです。いずれにせよ、自動車は電気により、動き回ることになります。

 

つい最近までは、自動車にしても船舶にしても、化石燃料の石油を動力に変えていました。エンジンを介して、石油を爆発させてピストンを動かし、それにより回転軸を回すことで化学エネルギーから熱エネルギーを経て運動エネルギーに変えるという構造のエンジンであることには変わりなかったということです。これを、産業革命の18世紀ころから、改良に改良を重ねて200年余りの年月を使って、効率の良いものを作り上げてきたのです。動力源としては効率のよいものに改良され続けたとは言え、石油系燃料利用の動力が、CO2を排出するからとの理由で現代では一気に嫌われるに至りました。

A big diesel engine with the truck depicted. 3d rendering

 

それなら、船舶も電気モーター船に切り替えればよいではないかということにもなりますが、そんな簡単ではないようです。まず、電気をどこで作るのか?或いは充電するのはどこですればいいのだ?という問題です。大きな海の中には、電気の供給ステーションを作るのは無理でしょうし、或いは自分の船で発電する(大きな燃料電池で?)にしてもなかなか容易ではなさそうです。さらに、大型電気モーターでスクリューを回すこと自体にも、まだまだ課題がありそうです。ゆくゆくは技術の開発により、大海原を船が電気を動力にして航海することも可能になるのでしょうが、私の知る範囲では今すぐには難しそうですね。

 

もともと船と自動車が同じように、内燃機関のエンジンの燃料として利用してきた石油を水素に置き換えることも可能なのでは!と誰もが考えます。では実際のところ、どうなのでしょうか?勿論、専門家やいろいろの企業の中では相当の検討されているようですが、現時点では水素の内燃機関への燃料としての利用は、実用化にはたどり着いていないとのことです。水素の特徴である、着火しやすく、燃焼範囲が広いこと、ひいては爆発しやすいことがネックだとのことです。ということで、船舶エンジンの燃料としては難しいのです。

改めての確認ですが、水素を利用すると言っても今、自動車の世界で行われている水素燃料電池車での燃料電池の仕組みは、水素を酸素と化学的に融合・反応させて水を発生させる過程で電気を発生させるもので、エンジンのように内燃機関で爆発を利用するものではありません。私は、最初この辺りの違いがよく分からなくて、だいぶ難儀しました。最近、新しいエネルギーのキーワードとして、水素がやたらと出てきますが、ここを整理しないと混乱するかもしれません。東日本震災時の福島原発における原子炉での爆発が水素爆発でしたが、このような危険をはらんでいるということのようです。このフクシマ原発事故の例を引き合いに出すことが正しいか自信がありませんが、水素の内燃機関への利用は相当の検討が求められるようです。

The hydrogen car concept – 3d rendering

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