SHS SHS 鈴木ヒューマンサポート株式会社 海のお仕事ナビ

  • 03-6884-6348

原発処理水の海洋放出について

この3月11日に、東日本大震災から10年を経過します。

今もなおその影響が残り、産業も、仕事もそして生活も元には戻っていないという地域があります。今日は東京電力福島第一原子力発電所の放射能汚染水の処理に関して取り上げます。

新聞の情報によりますと、2011年の大地震による原発の爆発事故の後、原子炉を冷却する目的の処理水を貯めに貯めこんだ結果、水は120万トンを超えて用意したタンクの約1000基の9割が埋まっているとのことです。いまのペースで1日140トンの汚染水を排出し続けると、保管用のタンクは2022年夏から秋頃には満杯になる見込みです。海洋放出には原子力規制委員会の審査や物理的な準備が相当期間かかるとされるので、政府は処分方針の決定を急ぐ必要があるようです。最終的な汚染水の処理方法が定まらない状態が続いていると理解しますが、大丈夫なのでしょうか?今やコロナの収束という課題も抱えて、政府としてはてんてこ舞いなのでしょうが、国の安全という観点からは原発処理水問題もコロナの収束と同じくらい大事なテーマだと思われます。

 

経済産業省は、科学的には安全だとの見解で早期の福島県沖へ汚染水を放出する意図を表明しています。政府と東電の海洋放出する方針の裏付けは、タンクの水をALPS(Advanced Liquid Processing System=多核種除去設備)により海水で二次処理して薄め、放射性物資の濃度を法令の放出基準より低くした処理水にするので、国際放射線防護委員会(ICRP)の安全基準にクリアしていて放出には問題ないと考えているからです。

海洋法の一つに、“廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約(通称:ロンドン条約)”があります。本条約は、ことさら船舶からの廃棄物等の海洋投棄を原則として禁止している条約であり、陸上の施設からの海上投棄について規定する条約ではないので、福島原子力発電所からの汚染水放出はこのロンドン条約に基づく規制を受けることはないというのが、国の考え方です。

一方、漁業関係者は、全国漁連と福島漁連を中心に、「我が国漁業者の総意として福島沖への汚染水の放出について絶対反対」とする立場を貫いています。海洋放出されれば「風評被害の発生は必至」だと強調しています。現に、海洋放出をしていない現在でも、福島県以外の水産物を含めて輸入停止を続けている国もあり、海洋放出が実施されると、事態が深刻になる可能性は否定できません。

ちょっと、不思議に感じることがあります。仮に船舶に汚染水を積載して、太平洋の真ん中で放水すると、ロンドン条約が適用され廃棄物等の海洋投棄として罰せられるとのことです。しかし、同じものを福島沖で陸上施設から放出することは、国の説明だと安全な汚染水ということで、許されるとのことのようです。私は、そう理解しました。どうも、しっくりときません。船舶から捨てると違反の恐れがある汚染物を、陸上から垂れ流すことは法規制がないから、やってしまうという理屈のようです。本当に問題がなければ、太平洋の真ん中で廃棄すればいいような気がします。沿岸漁業で生計を立てている方々からすれば、風評被害にあわなくて済むはずです。私が思いついた具体的な方法は、大型タンカーに積み込み、地元沿岸ではなく太平洋のど真ん中まで持って行き放出するというものです。このような考え方は破天荒でしょうか?日本沿岸での汚染水放出がOKだとすれば、理屈上は太平洋の真ん中での放出でもOKなような気がします。まだ、納得できていないので、頭の整理をしたいと思います。思いつきの補足をさせていただくと、120万トンの汚染水は、40万トンタンカーで3隻分ですので、そのための船舶の用意は可能かもしれません。

ただ頭に浮かんだことを書いただけで、今のところ何の主張もありません。その点をご容赦ください。ただ、国が進めようとしている福島沖に汚染水を放出するという方針には、承服し難いです。

 

新着コラム

超大型コンテナ船(EVER GIVEN)のスエズ運河座礁(その2:船上の貨物はどうなっちゃうの?)

3月下旬にスエズ運河で座礁事故を起こした“EVER GIVEN”がいま、どこにいるかというと、スエズ運河の中のグレートビター湖で待機を余儀なくされているようです。

超大型コンテナ船(EVER GIVEN)のスエズ運河座礁(その1:座礁の原因は何だ?)

3月下旬にスエズ運河で、日本の船主(正栄汽船)が所有し、台湾の海運会社(エバーグリーン)が運航する大型コンテナ船“EVER GIVEN”が座礁事故を起こしました。

福島第一原発・処理水の海洋放出決定について

東京電力福島第一原子力発電所の構内に溜まった、原発事故の処理水の処分について、4月13日に政府は海洋放出する方針を決定しました。

海の仕事の求人掲載は転職をサポートする「海のお仕事ナビ」へ

会社名
鈴木ヒューマンサポート株式会社
所在地
〒113-0033 東京都文京区本郷3丁目2番6号 クレスト山の上ビル5階
電話番号
03-6884-6348