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エネルギーの変遷と海運業(その4:石炭)

前々回・前回とこのコラムで扱った石油・LNGと同じく石炭も、日本がほぼ100%輸入に頼っている化石燃料の資源です。

最近は、CO2排出を増やすとして、特に石炭発電への風当たりが強くなっています。

昨年12月の国連気候変動枠組み条約第25回締結国会議(COP25)の閣僚級会合で、小泉環境大臣が演説しましたが、明確な「脱石炭」に言及しなかったことに対して、世界中から非難を受業も、脱石炭化への方向転換は急です。今年の夏には、経済産業省が、2030年度までに非効率な旧式の石炭火力発電所100基程度を休廃止する方針を固め、つい先だっての新聞報道(2020年11月)では、大手電機メーカーの東芝が、石炭火力発電所の建設工事受注を停止する方針を決めました。

 

日本の石炭輸入の現状は次の通りです。大きく分類して、電気のもととなる一般炭と鉄鋼生産のもととなる原料炭に分けられます。日本の2017年度の石炭輸入は電力用一般炭、1億1452万トン、鉄鋼・原料炭、7,060万トンです。(2019年、エネルギー白書に基づく)。昨今国際的にやり玉に挙がっているのが、発電用に用いられる一般炭です。ボイラーで燃焼して作った水蒸気のチカラによりタービンを回転させ、その回転を発電機に伝えて電気を作りますが、その際二酸化炭素を排出しますので、地球温暖化の原因として嫌われているのです。

もう一つの原料炭は、鉄を作る工程で必要とされる石炭です。こちらについても、石炭を燃やして二酸化炭素を排出するという意味では、石炭発電と同じ結果を生みますが、鉄鋼製造においてはその製造過程に対して、非難の声が世界中から巻き起きてはいないと理解しています。建築物や土木構築物の土台や素材として、世の中がいかに変わろうとも鉄鋼に代わるものが存在しないからということでしょうか?

 

自分自身、一般炭と原料炭の違いが十分理解していないので、せっかくの機会ですので、簡単に整理してみることにしました。まず、鉄鋼製造に用いられる原料炭は、鉄鉱石と混ぜ合わせて燃やすためのコークスを作るのに用いられます。コークスは、石炭を高温で乾留(蒸し焼き)して、炭素部分だけ残した、銑鉄製作用の燃料と言えます。コークスの役割はというと、酸素とくっつきやすい特徴をいかして、銑鉄用原料の鉄鉱石から酸素を抜き出し、鉄を残すことにあります。化学反応式で表すと、 2Fe₂O₃ +3C⇒ 4Fe+3CO₂ です。CO₂を生み出すことに関しては、電力を生み出す一般炭と同じです。

将来何らかの発明があって、鉄鋼製造も2Fe₂O₃から4Feを生み出すために、酸素元素とくっつきやすい炭素とは違うほかの元素を探し出して、二酸化炭素を排出しないで鉄鋼を製造する工程を生み出すのでしょうか。或いは、鉄とは全く異なる、構築物の骨格となりうる新しい素材が生みだすのでしょうか。今のままでは鉄鋼業も続かない?そんな予感もありますが如何でしょうか?(ただし、この予感は、何の裏付けもない私の見立てですが・・・。)

 

海運業の話に戻します。一般炭にしても、原料炭にしても日本はほぼ100%輸入に頼っていますので、海運会社にとっても、従来大層貨物として輸送物の中心を占めていた石炭が、将来その座から退くことになりそうです。この分野でも、海運界は軌道修正が迫られることになることでしょう。

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