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日本の造船業も再編が進む

造船業界での再編が進みつつあります。

3月末に、国内造船の首位の今治造船と2位のジャパンユナイテッド(JMU)が資本提携した上に、さらに共同で営業・設計会社を新たに設立することを発表しました。まず今治造船がJMUへ3割の出資をして、そのあとで、両社合弁の営業・設計会社「日本シップヤード(NSY)」を設立するという内容です。

新会社NSYは、今治51%、JMU49%の出資ですから、今回今治がJMUの株主比率を3割することで、日本シップヤードへのJMUの比率49%分の3割、即ち、14.7%も今治出資に相当すると考えたら、新会社NSYの実質的な今治の保有率は65%を超えるということになります。細かいところに拘ると笑われてしまいますが、会社の支配率が再編のポイントの一つのような気がしますので触れてみました。基本的には今治造船が主導者であることは明らかです。再編の必要性は両社(今治とJMU)が感じ取っているのは間違いないでしょうが、進めるにあたっては、将来微妙に思惑がずれる時に、この資本の構成率が影響を及ぼすのだろうと考えます。思い過ごしかもしれませんが、一つ気になったことがあります。合弁会社は設計と営業だけです。実際の造船作業を行うのが今治造船とJMU、それぞれの会社のままだとすれば、どちらが工事を請け負うかの基準は、別途調整して決めるのでしょうね。これまた、結構、難題だと思いますが・・・。

 

日本の外航コンテナ輸送船社が一つになったのに続き、日本の造船業界も大手の集約が進んでいることになります。海の世界は、船舶を作る造船業界も、船舶により貨物輸送に従事する海運業界ももはや、私企業が個別で戦うには厳しい時代に入りました。造船業界では、韓国/中国との競争が、一番の大きな背景にあると言われています。今治造船の檜垣社長は記者会見で、日本造船が負けている理由を問われて、「コストでは負けていないと、確信を持っている。技術でも負けない。ただ、船価では負けることがある。平然と赤字受注する造船所があるからだ。」と、述べました(日本海事新聞3月31日)。中国や韓国の造船所に打ち勝つための、最終手段のようです。日本企業が赤字受注することは避けたいのでしょうが、そのレベルまで覚悟して戦う姿勢を示したのだと思います。

 

海運の世界では、日本のコンテナ船運航の分野に限り、NYK、MOL、KL三社がONE (Ocean Network Express)の名の下、一つになりました。そのONEが発注する超20,000TEUコンテナ船は、どんなことがあっても他国造船所には、建造させるなと言う日本造船界の意気込みなのでしょう。日本の海運界と造船業界との間も、なれ合いではなく本気の情報交換が行われることを期待します。

 

外航海運会社三社によるコンテナ運航のONEについても同じことですが、このようにかつての競業者間で新しく共同事業を行うにあたっては、提携する複数の会社が対等に近い持ち分を有しながら、その一つの会社がメジャーの立場になり主導権を握るという仕組みが一般的です。基本的には対等の精神を保ち、それぞれの独自性を発揮しながら協力体制を目指しますが、完全な意思統一できない場合、最終的にはメジャーの会社の判断となるのでしょう。

共同事業では、仕事上の軋轢や、実績・業績の悪化が起こることを、常に覚悟しておかなければいけませんし、どう対処するかについては会社の役員・社員は予め、想定しておく方が良さそうです。

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