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病院船について

先日のテレビニュースでアメリカの病院船の映像が流れていました。

 

 

病院船のような特殊な施設を備えた船舶は、今回のコロナウイルス感染のような、よほどのことが無ければ必要ありません。日本でのコロナウイルス拡大に関して、初期段階でその広がりが最も顕著だったのが、横浜港停泊中のダイヤモンドプリンセス号であり、その感染状況に日本中の目が注がれたため、国会議員も慌てて病院船に関心が移ったのかもしれません。4月中旬の現時点で、医療施設に限界が来るかもしれないとの危機感が出てきていますので、議論が出てきて当然だと思います。3月に行われた国会議員の会合では、まず、この集まりの、名称「病院船建造推進議員連盟」を、「災害時多目的船(病院船)建造推進議連」に変更することを決め、早期の新船の建造を働きかける方針を確認したとのことです。

 

別の新聞(日本海事新聞318日)にも、“病院船、新造250億円で” との見出しの記事がありました。2011年の東日本大震災の際にも、病院船の必要性が語られましたが、建造・費用に係る費用がネックとなり見送られてきたとのことです。病院船(災害時多目的船)議員連盟は、建造費として250億円が見込まれる新造船に拘るようです。記事によれば、「長期的な視点に立てば、新造船の方が安く済む。高速航行が可能であれ低環境負荷のエコシップであれば、環境にやさしく燃料費もそんな高くはならない。」との、議員連会長のコメントが載せられていました。

しかし、これには私は同意しかねます。そもそも病院船の意義は、モノや人の輸送や移動そのものではなく、災害地での救済を中心にして罹災者の医療や保護を行う船のはずです。高速航行は本来の目的ではなく、その辺りから、問題点の整理が不十分ではないのかなと言う気がしてきました。例えば、大型フェリー船世界では、1020億円で中古船として売却され、ほぼ同じような金額で改装して、第二の人生を迎える船も数多く存在します。そのようなやり方であれば、合計2040億円で、結構立派な船に生まれ変わります。船の改造に加えて、医療機器の装備をプラスすればいいのではと考えます。日本の財政状況を見るならば、もっと現実に即した、病院船の検討もあるような気がしますが、如何なものでしょうか?

船舶の名称を「災害時多目的船」にしたとのことですが、船の設備に多すぎる機能を持たせて、かつ高級な性能にしておくというのは、結局宝の持ち腐れになる可能性、大です。新造船か中古船か、そしてどのよう役割の船にするかについて決めるには、何はともあれ、どんな災害を想定するかと共に、災害時以外の平常時にどう使うのかについての議論が先決ではないでしょうか?!

 

突然の大地震のような災害が起きた時に、傷病人の受け入れ施設が不足する時とか、今回のように疫病患者を収容する病院が足りなくなる時に、千人単位の収容施設があるというのは大変心強いと考えます。しかし、いきなり250億円の新造船が必要だと本気で言っているとすれば、国家財政に責任を持つべき政治家の経済観念を疑わざるを得ません。250億円と言えば、何千人もの旅客を収容できる超大型のクルーズ船とか、LNG船とかが建造できる船価です。

災害時や疫病感染の際に、数多くの傷病者の救済・医療を主たる目的とする船舶を建造する場合、器具や設備を100%の医療ニーズに応えたいという考えは理想ではありますが、100%に応えようとすれば、限りなく贅沢な設備の船が出来あがると考えます。場合によっては無駄な設備になりかねません。まずは、1000個のベッドが用意できる船と、日ごろは日本の各地で人間ドッグが出来る船(一例)とするなどいろいろ検討できるのではと考えますが、如何でしょうか。250億円の病院船のアイデアだけだと、どうも頂けません。国会議員の皆さんは、まず、一回きりの会合で終わらせることなく、次につなげることをまず考えてもらえればと願います。

 

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