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新型コロナウイルスが外航海運の働き方に与える影響

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が止まりせん。

中国の武漢での感染が始まったとの報道があった、今年の1月中旬くらいから最初の一か月間ぐらいはその病原菌は中国、韓国、日本の東アジアだけで留まっているかのような状況だったのですが、その次の段階の2月後半あたりからは欧米で広がり始め、その拡大のスピードと規模が特に心配です。

 

2月中は、横浜港に停泊したクルーズ船(ダイヤモンドプリンセス号)での感染が大きく取り上げられましたが、今や世界中の海上物流の分野でも、生活物資や工業製品などの生産活動が停滞することにより貨物物資の輸送が滞り、運賃収入の減少の影響が出ています。その他には、船舶を運航する船員の交代が出来なくなるという問題が起きています。海運会社が運航する船舶に乗船している船員は、多国籍の人達で成り立っています。日本の海運会社でしたら、最も多い運航要員はフィリピン船員です。その他のアジア船員やインド船員、中央ヨーロッパ船員などからも、構成されています。世界最大の船員供給国である、フィリピン政府はコロナ対策で、マニラ首都圏を封鎖していると言われます。ということでフィリピン船員に船まで来てもらう事は結構、困難を来たしているのではと想像します。フィリピン船員のみならず、外国航路船舶の乗組員交代のための乗船と下船は、本船寄港地と船員の母国間を飛行機で移動することにより実施するのですから、世界各地で入国制限が行われている状況では、交代船員の移動すらできない状態です。

外航船の船員は、通常、6~9か月の乗船勤務期間を経て交代するのが一般的なのですが、今のこの局面では、新しい船員を送り込むことができず、執務中の船員を自国に戻すことも出来ません。外航海運の世界では、船員の労働条件を守る団体の“国際運輸労連=ITF”の発言が大きく影響を与えます。通常であれば、船員の労働環境保護のため、船主に対して厳しく乗船勤務期間の取り決め内容の順守を求めるところですが、今回に限っては、船員交代の困難さを踏まえて、最大1か月間の乗船延長を認める方針を通知したと言われます。

Flight to Manila on international airport departures board. Travelling to Philippines conceptual 3D

 

しかし、実際のところ、各国の入国制限の内容や度合いが様々だと思いますので、1か月の延長だけで、うまく船員を切り替えることが出来るのかもままならない状態だと想像します。乗組員交代の手配をして、船員交代の予定地に次の交代者を送り込んでも、その国で急遽入国禁止措置などが取られたら、交代措置が水泡に帰す事にもなりかねません。これから暫くは、外航海運会社にとって、船員の交代だけでも気の休まらない日が続きそうです。

 

新聞報道(323日付け日本海事新聞)によれば、海運会社の陸上勤務員の働き方も見直す動きが出ています。邦船各社の情報だと、日本郵船は318日からの出発便で役職員の海外出張を全面的に禁止しました。商船三井では、39日から19日までの予定だった在宅勤務を43日まで延長することが決まりました。

このウイルス騒動では、感染予防と感染者への治療対策に関係する日々の情報に耳目を集めていますが、働き方の見直しとしての別なるテーマも表に出てきた感じがします。陸上の働き方に関しては、まさに在宅勤務ないしはテレワークです。海上勤務については、船舶の無人化自動運転もその一つになりそうな予感があります。

 

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