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外航コンテナ船業界の今後について。(日本船社3社出資のONEはどうなって行く?)

世界のコンテナ運航ビジネスが貨物輸送量の伸びに乗って、順調であることは最近お伝えしている通りです。

日本の海運会社の大手三社が2017年に共同で設立したコンテナ輸送会社(Ocean Network Express = ONE)も、順調に事業を展開しています。その大きな要因はここ30~40年間にわたる、世界の経済発展による荷動きの爆発的な増加であることは前回にお話ししました。もう一つ見逃せない要素は、外航コンテナ業界がこの間の激しい業者間の競争を戦った経験を踏まえて、世界全体の荷動きに対応するために一定のスケールでの運営が大事だと気づき、個々の会社が単独で戦うのではなく、海運会社間の連携を図ることが功を奏したからです。

今でこそ、いろいろな国の海運会社が自国貨物だけではなく、世界中の貨物を輸送するのが当たり前の時代ですが、4・50年前の外航海運は必ずしもそうではありませんでした。80年ほど前に太平洋戦争ですべてを失い、ゼロからの出発となった日本は、世界に追いつけ追い越せとの思いでは、原料を輸入し製品を輸出するという貿易立国を目指すこととなります。日本海運界は、その輸送部門を担当するという使命に駆られて、日本を拠点とする輸出入の貨物輸送に励みます。何も日本だけのことではなく外国でも、自国の海運が優先して自国貨物を運ぶことは当たり前のことでした。

戦後の復興が進む高度経済成長の下、日本の外航船社は日本に輸入される原料やエネルギー資源そして輸出製品を運ぶため、いかに日本の貿易に役に立とうかと考え、滞りなく貨物輸送するのに集中しました。太平洋戦争の戦後(1945年~)暫くは、日本の海運は日本の輸出入の貨物を輸送するという使命を担っていたということです。

Double exposure of man with Transportation, import-export and logistics concept

そうこうしているうちに、アジア圏内の諸外国の発展とともに、アジア圏と欧米諸国間の貿易も徐々に増えていきます。なかんずく、20世紀の終わるころの中国の著しい経済発展が、世界の貿易量の拡大に拍車を掛けます。中国経済だけでなく他の発展途上国も発展します。その頃から世界の外航海運界は、従来一般的だった自国の貨物輸送という枠から離れて、他国を拠点とする貨物輸送にも手を伸ばすようになりました。海の世界には、古くより公海は万民の共有物であり、いずれの国も自由に使用できるという慣習国際法上確立された原則(公海自由の原則)があり、一方、船舶も高性能になり比較的簡単な教育と経験で世界中の海運会社が活発に動き出したことが、世界中の国々の海運会社が乱立した原因でもあったと考えられます。

いずれにせよ、世界各地の資本力のある会社や、国家に後押しされた海運会社が、続々と世界を目指し始めたのです。そんな中、国をまたいでの会社間の合従連衡も進みますが、日本の三社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)は、国内三社による共同事業とすることを選びました。特徴的なことというと、日本の三社が設立した運営会社(ONE)の本社はシンガポールです。構成する従業員の考え方も仕事のスタイルも必ずしも日本基準ではないはずです。 日本の企業三社が出資する企業とは言え、ONEは日本の企業の概念を超えた会社です。もはや、外航海運事業においては日本の会社だからと言って、日本に目を向けているだけでは生き残れない時代に突入しました。資本は日本国の外航海運会社三社ですが、日本から指令を送るという発想では、時代や世界の動きを見失う恐れもあるでしょう。そこで、あえて拠点を海外のシンガポールに持って行ったのかもしれません。

ONEの資本には海外資本を導入せずに、ずっと競争相手であった日本の船社三社による出資としていますが、実務を処理する社員は世界中からの寄せ集めで構成されているようです。株主の意向は一部の日本からの派遣された社員によって反映させるという作りでしょうか。会社(ONE)の理念や行動基準は親会社から出される方向性により確立していることでしょうが、個々の従業員の目指すものや株主三社の利害関係などに関しては、すっきりと一つにまとめるのは難しそうにも思えます。調整すべきことが、今後多々発生するだろうとちょっと心配してしまいます。現在は、世界中のコンテナ船の需給が逼迫し、利益を生み出す状況ですが、事態はいつどのように変貌するかは予想がつきません。やがて来ることは間違いないであろう業績下降の局面に備えて、株主三社間の方向性の確認や、幅広い出身地の社員のモラルの維持活動は、常に求められるのだろうと想像しています。

 

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