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外航コンテナ船業界の現状(好況とその背景)について。

最近の新聞記事では、世界中のコンテナ輸送海運会社の多くが、史上最高の業績を記録しているとの情報を見掛けます。

1979年に外航海運会社に入社した筆者は、40年間以上、コンテナ船事業の推移を眺めて来ましたが、その間の成長とともにその激動には驚くばかりです。私の入社後暫くは、海運会社の定期航路の船のタイプ(船型)は一般在来貨物船(貨物をコンテナ詰めしないで、元の貨物の姿のまま船倉に積み込むスタイル)が主流でした。徐々に在来貨物船からフルコンテナ船に切り替えようかという試行錯誤の時代でしたが、フルコンテナ船を稼働し始めてから暫くは、コンテナ船航路の採算が思いのほか悪く、コンテナ船への切り替えは大丈夫かと、社内で囁かれていたことを思い出します。

 

コンテナ船が海運会社の業績を支えることは将来も難しいのではという思いは、時間が経過しても変わらずに持ち越されていました。日本のいずれの外航海運各社も、最近まで長きにわたり半信半疑だったのではないでしょうか?そういうこともあって、日本の海運会社三社は単独でコンテナ船事業を続けることはリスキーだとの思いから、一つにまとまったというのが、真実なのだろうというのが私の見方です。(注:2018年3月より、日本郵船、商船三井、川崎汽船の出資による、Ocean Network Express社がコンテナ船運航事業を行っています。)

フルコンテナ運航船の世界の船腹量、上位20社の1995年、2001年、2020年の推移を示している資料がありましたので、お借りしました。その資料を、少し手を加えさせてもらったものが右の表です。

 

 

2020年の供給船腹量は、1995年に比べ約8倍の増加です。2001年との対比でも、2020年の船腹量は約5倍です。結構大きな割合で、船腹供給を増やしました。それでも、現状船腹が足りないというのには、大変な驚きです。余程の貨物量の増加があるということなのでしょう。

世界全体のコンテナ船隊の規模の拡大についてこのように、数値で認識したのは私自身、今回が初めてのことでした。コンテナ船の船腹量がこれだけ増えているにも拘らず、2021年の現在、運賃レベルで史上最高を記録するほど、需給がひっ迫して船腹が足りないということは、余程貿易貨物量の増加がすごいということですよね。

 

実を言うと、海運会社に在籍しながらコンテナ船運航に携わっていなかった私は、世界の海運各社が拡大路線に走っていることが、不思議だったのです。その動きが過当競争に見えて、無謀にも思えたのです。各社とも、その行動の根拠を分かりやすく伝えるということもしませんでしたから・・。今になって思うに、各社なりに裏付けを持って行動していたのかもしれないと思います。(失礼な物言いですみません。)

確かに、各社が分析内容を発表したら、手の内が丸見えとなりますから、多くを語らなかったのかもしれません。本当に先見性があったかどうかについては若干疑問がありますが、海運会社が供給船腹量の増加に動いていたことは正解だったようです。私も、遅まきながら今回初めて、世界のコンテナ船がこんなに盛況なのはなぜなのかを自分なりに調べることとしました。世界の貿易量を把握したくても、種類の違う貿易貨物の統計数値がまとまっているものなど、なかなかありません。なにかヒントとなる指標は何かないかと探していたところ、UNCDADのデータから作成された“先進国と発展途上国の輸出額の推移”というタイトルのグラフを見つけました。このグラフを眺めると、確かに1980年代初頭から世界の輸出額が10倍近く増加しています。ちなみに日本の推移はいかに?と、総務省貿易統計を眺めてみます。1980年と最近の数値(2016年)を比べますと、輸出額の増加が2倍強程度であることが分かります。

 

日本で暮らしていると、実感がなかったのですが世界経済は、間違いなく成長していたということだと思います。特に、新興・途上国のシェアの伸びが大きいことが、海上輸送量の急激な伸びに貢献しているようです。海外からの物資などほとんど輸入したこともない国々が、ゼロの状態から物が買える状態になることで、このような拡大につながったのでしょう。

自分の国である日本の経済状態にこだわるあまりに、世界の海上輸送への見方が非常にいい加減であった(悲観的に見ていた)自分に少し、恥ずかしくなった次第です。いずれにせよ、世界の経済成長を理由に、今もなお外航コンテナ輸送産業は伸び続けています。そして、日本の外航コンテナ輸送業は、拠点を日本から完全に切り離すことによって、新しいステージを進み始めています。

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