SHS SHS 鈴木ヒューマンサポート株式会社 海のお仕事ナビ

  • 03-6884-6348

日本の石油備蓄基地を調べました。

前回の話題に取り上げたイエメン沖に放置された石油備蓄基地のような、いつ爆発するか分からないような危険極まりない石油備蓄基地が自分のそばにあるとしたら、たまったものではありません。

そんな施設が日本に存在するとは思えませんが、日本の石油備蓄基地にはどのようなものがあって、どんな状態なのかが、気になったので調べてみました。表紙の写真は、白島石油備蓄株式会社の会社案内(施設概要)の写真をコピーさせてもらいました。

太平洋戦争後日本は、石油をあらゆる産業のエネルギー源として利用して経済成長を進めてきました。1970年代には第1次・第2次オイルショックを経験し、石油不足や価格の高騰という状況を二度と日本に招いてはいけないという考えが一段と強くなりました。日本は非常時に備え、石油を常に備蓄しておくことが必要だと国家の方針が出来上がり、1975年の“石油備蓄法”が制定された後、まず民間備蓄から始まりその後、国家備蓄が1978年から開始されました。最近の情報(令和3年8月の資源エネルギー庁発表の石油備蓄の現況)によれば、国家備蓄が国内消費量の149日分、民間備蓄が93日分の石油備蓄があるとのことです。

それでは、日本国内にどれだけ国家が運営する石油備蓄基地があるのかと言うと、現在10個の基地だそうです。独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)のサイトの資料から、抜き出すと以下の通りです。

まず、私の想像と違ったことは、国家の備蓄施設は洋上施設2か所、陸上のタンク8か所と意外と洋上施設が少なかったことです。洋上の施設は福岡県の白島と長崎県の上五島にあるだけです。その2か所の施設はイエメンで放置されているような中古船の利用ではなく、純粋に石油の貯蔵を目的に、新たに建造されたものです。

それぞれの設備の概要は次の通りです。

白島基地の貯蔵船寸法:長さ397mx幅82mx深さ25.4mx8隻/容量:約70万klx8隻

上五島基地貯蔵船サイズ:長さ390mx幅97mx深さ27.6mx5隻/容量:約88万klx5隻

(注)上の概要説明で、貯蔵船寸法・サイズと記載していますが、これはサイト上に記載ある表示内容です。表示が貯蔵船とあるのは、恐らく、当該設備の公的な登録が、単なる建造物ではなく、船舶であることを意味していると認識しました。

それぞれのタンク(貯蔵船)の寸法は、現存する超大型タンカーに比べて、長さ・幅がほぼ同じ程度、幅が2倍ほどの寸法です。従って、容量も現存の超大型タンカーの2倍ぐらいになります。タンク(貯蔵船)の形状は、船舶の形状ではなく超巨大ビルのような立方体を浮かべているような姿です。この立方体はエンジンの装着はありませんが、タグボートの牽引(けんいん)により、このまま大洋を航行できるものだと、推測します。

緊急時に、日本のどこか遠くの地で石油の需要が発生した時には、無数のタンクローリーを長い距離を走らせることなくこの施設を海の上を移動させて、利用することも可能なのだと想像しました。いざという時には、洋上に浮かぶ施設である故に、船舶相当に利用が可能なのでしょう。

しかし、船舶相当ということは、地上専用の施設以上に維持管理は大変であり、維持管理を十分に行ったとしても、一般の地上施設より寿命が短いことは避けがたいようです。この二つ(白島・上五島)の洋上石油貯蔵施設は、これから暫く日本のエネルギー危機に備えるという大事な使命を背負っているのは言うまでもないことですが、20年後30年後を見据えた場合、この石油貯蔵施設がどのような扱いがなされるのかと、少し心配になりました。

二酸化炭素排出量ゼロを目指す社会に、石油を貯蔵する意味がどれほどあるのか?仮に石油の貯蔵が不要となる時代になったとしたら、この貯蔵施設は解体の運命にさらされるのか?場合によっては、解体の予算すらつかない状態となり、原子力発電所の廃炉と同じように頭を悩ます課題なるのかもしれません。

前回扱ったイエメンの元船舶利用の石油貯蔵施設の放置に関するニュースは、他人事ではないように思えてきました。便利を求めることの代償は、世の中にある何にでもつきまとっているのかもしれません。

 

新着コラム

日本の石油備蓄基地を調べました。

前回の話題に取り上げたイエメン沖に放置された石油備蓄基地のような、いつ爆発するか分からないような危険極まりない石油備蓄基地が自分のそばにあるとしたら、たまったものではありません。

海上に放置される石油貯蔵施設

冒頭の写真は、紅海イエメン・ホデイダ沖に停泊する浮体式海洋石油貯蔵積出設備です。

海賊は悪者か、英雄か?

前回・前々回とお話ししましたソマリア沖の海賊は、穏やかに普通の生活に戻って行ったようです。

海の仕事の求人掲載は転職をサポートする「海のお仕事ナビ」へ

会社名
鈴木ヒューマンサポート株式会社
所在地
〒113-0033 東京都文京区本郷3丁目2番6号 クレスト山の上ビル5階
電話番号
03-6884-6348